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2015年の君たちは――。~東京ヴェルディユース、花の92年組を追って~:第10回 武藤嘉紀のルームメイト

「サッカーは、あと2ヵ月と少しか……」(山浦)

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牧野修造(中京大4年)【写真:海江田哲朗】

 なお、南部健造(中京大4年)も教職課程を履修したが、「最後のテストで3点足りなかったんです……」とのことで教育実習に行けなかった。遠くから大木の高笑いが聞こえてくる(第2回https://www.footballchannel.jp/2013/12/14/post16951/と第4回https://www.footballchannel.jp/2014/01/28/post23441/を参照)。

 7月から9月にかけて、相馬、大木、南部、牧野、渋谷亮(中央大4年)、松澤香輝(早稲田大4年)は、東京ヴェルディの練習に参加した。他のJクラブから要請があり、方々に足を運んだ選手もいる。どこの練習にも参加しなかったのは、山浦だけだ。

「僕はみんなとは違う道を考えています。プレッシャーから解放されたせいかなぁ。最近、すごく調子がいいんですよ」

 と山浦が語っていたのは、4月のことである。あらかじめ、そうなる可能性が高いと聞かされていたため、そっかと笑顔で応じた。どの道も、別段優劣はない。選択の違いがあるだけだ。仮にサラリーマンになったとして、そこには別種の厳しさがある。

「自分が具体的にどんな仕事をしたいのか、まだイメージが全然湧かなくて。父がマスコミ関係ですので、最初に浮かんだのはそれでしたけど、深く考えたものではありません。これからいろいろ調べて、方向を定めていきます。サッカーは、あと2ヵ月と少しか……。今年最初に立てた目標通り、最後までしっかりやり切りたいです」

 慶応大がリーグ上位に入り、インカレ出場権を獲得すれば、その期間はもう少し延びる。サッカーへの愛着から、どこかでボールを蹴ることはあるかもしれないが、競技生活はそれで区切りだ。最後のピッチに立つ姿を見届けるのが僕の仕事である。さあ、見せてくれ。ノリノリになったときの山浦のドリブルは誰にも止められないぞ。

(文中敬称略)

【了】

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