「(武藤は)そこまでインパクトを与える選手ではなかった」(高木善朗)
9月、日本代表のアギーレ新体制が始動した。初陣となるキリンチャレンジカップ2014、92年組の同期からは柴崎岳(鹿島アントラーズ)と武藤嘉紀(FC東京)がメンバーに選出され、9日のベネズエラ戦ではそれぞれゴールを決めている。そして10月1日に発表された日本代表には、昌子源(鹿島)が入った。
この世代のトップランナーは長らく宇佐美貴史(ガンバ大阪)だったが、ここにきて新たなタレントが台頭し、情勢は活発に動いている。もっとも宇佐美にしても、この程度でおとなしく引き下がるタマではない。Jリーグでは好調を示しており、いずれはメンバーに加わってくるだろう。
柴崎は早くからその才能が評価され、年代別代表の実績もある選手だ。鹿島ではレギュラーに定着し、欠かせない戦力となっている。一方、武藤はまさしく新星である。FC東京U-18から慶応大に進学し、2012年と2013年はFC東京の特別指定選手として登録。
3年次にJリーグデビューを果たした。そして今年、在学中の身でFC東京と契約を結んだ。代表に召集されるまで、熱心なJリーグファンの間でのみ知られる選手だった。
8月2日のJ1第18節、武藤と同じピッチに立った高木善朗(清水エスパルス)は、「もちろんユース時代から名前は知っていましたけど、そこまでインパクトを与える選手ではなかった。特に身体が強くなっていて驚きました」と感想を語っている。
山浦新(慶応大4年)と武藤は、大学の寮のルームメイトとして2年間過ごし、互いをよく知る仲だ。
「1年のときからスピードとフィジカルの強さは別格。意識が高く、筋トレを黙々とやっていたのを憶えています。あと、よっち(武藤の愛称)は死ぬほど負けず嫌い。テレビゲームでさえ、自分が勝つまでやめない」