アディダスとナイキ、2社だけでサッカー市場の約50%を占める
しかし、サッカー用品部門では、ナイキの19億ドル(約2,052億円)に対し、アディダスは24億ドル(約2,592億円)と、王座は譲らない。
その過程では、アディダスが2005年、1990年代のスニーカーブームの火付け役ともなった英リーボックを買収し、規模の経済に走ろうとすれば、ナイキは2008年、英アンブロ(サッカー用品メーカー)を買収し、サッカー商戦にぴたりと照準を当てた。
そうやって、しのぎを削ってきた2社だけで現在、サッカー用品全体の約50%のシェアを占める。
参考までに、業界3位のプーマの売上は、43.8億ドル(約4,730億円)で、兄弟の仲たがいが結果的によかったのかどうかは分からないが、現在は、弟が作ったアディダスが兄のプーマに対し、5倍近い差をつけている。
世界4位と健闘中の日本のアシックスの2013年の年商は2,602億円で、ナイキの10分の1以下であり、同7位のミズノは1,832億円。
1970年以来、FIFA(国際サッカー連盟)の公式パートナーであるアディダスは昨年、2030年までの契約延長に調印。契約金は、4年毎に7,000万ドル(約76億円)である。
そのため、2014年W杯ブラジル大会では、公式試合球をはじめ、審判団が使うホイッスルやフラッグのほか、ボールボーイの制服に至るまで、あらゆるキットを提供した。
加えて、総額4億ドル(約432億円)の広告宣伝費を使い、さらに登録選手23人×32カ国=736人のうち、300人の選手をスポンサードした。
また、出場32カ国中、ナイキが10カ国の代表チームにゲームシャツを提供したのに対し、アディダスは、日本代表を含む9チームに提供。ここでもがっぷり四つの横綱相撲が展開された。