ほぼドイツ企業で占められるブンデスリーガ
そして、その4つの収益バランスが非常によく、自動車王国を物語るように、クラブ経営についても四輪駆動車のごとく地面を力強くつかみながら走っている。
14/15シーズンのシャツ契約では、バイエルンを含めた4チームがアディダスと。しかしマインツを含めた6チームはナイキであり、自陣ながら、アディダスはナイキの前に膝を着かされた。
残りの8チームは、独ブランドのエリマやJAKO、あるいはイタリアのカッパやロット、イングランドのセイラーなどである。
ここで少しだけ胸スポンサーに話を移すと、バイエルンがドイツテレコムと契約を結んでいるほか、メルセデス・ベンツは、シュツットガルト。ドイツ鉄道(DB)は、ヘルタベルリンで、スーパー大手REWEは、FCケルン。フォルクスワーゲンは、ヴォルフスブルグと契約中である。
ブンデスリーガは、1試合当たりの平均観客動員数が欧州一を誇り、上位と下位の実力差がもっとも少ないリーグとも言われ、世界的にも知名度のあるクラブがずらりと並ぶ。
しかし、シャルケ04のガスプロム(ロシア)やフランクフルトのアルファ・ロメオ(イタリア)、レバークーゼンのLG(韓国)以外、ほぼドイツ企業で占められているのだ。
ドイツでは、どこに行っても、町なかで見かける車の多くがドイツ車だということからも分かるように、ドイツ人は愛国心が非常に強い。そのこともあってか世界の資金の潮流に翻弄されることなく、クラブ経営でも付和雷同することが少ないのかもしれない。
そうしたドイツ・サッカーの歴史に歩調を合わせるかのように、1949年ドイツ出身のアディダスとプーマも成長を遂げてきた。
アディダスの2013年の売上は、199.5億ドル(約2兆1,500億円)
1968年の創業以来、自らのアキレス腱を鍛えることにも抜かりのないナイキは、世界シェアの17%を握り、同年実績は278億ドル(約3兆円)であり、総力戦では、ナイキに軍配が上がった。