ウィングよりアップダウンの少ないインサイドハーフは適任か
その意味では高い位置で勝負していくことを得意とする香川には合っており、おそらくウィングよりもゴールに絡む仕事をしやすいのではないか。
中央のFWとワンツーで入っていく、あるいは右のウィングで起用される本田とのコンビネーションでも面白い形が期待できる。左に武藤嘉紀が入れば彼のカットインに連動して左のワイドを突くなどのバリエーションも生まれそうだ。
「欧州で長年プレーしているので、守備の面でも力を付けている」とアギーレ監督は語るが、ブラジルW杯ではウィングでハイプレスに参加しながら、それがはまらず自陣まで下がっての守備が増え、結果として攻撃の体力が落ちていた側面もある。
4-3-3のインサイドハーフはブロック内でアンカーの左右をしっかり固めながら、タイミングを見てプレスに行くなど臨機応変の対応が求められるものの、4-2-3-1のウィングほどアップダウンは激しくなりにくい。
守備をセットしたところから、シンプルなつなぎで高い位置に起点を作り、バイタルエリアで勝負する形を発揮できれば、守備の負担はそう問題にならない。
攻守で生命線となるのはもう1人のインサイドハーフとの関係だ。どちらかが攻め上がれば、もう片方はある程度バランスを取る形になる。
常に果敢に攻め上がるタイプとのセットでは、香川がバランスを取るケースが多くなり、特徴を活かしにくい。完全に支配できる相手なら両者が高めのポジションを取ることも可能だが、ブラジルなど強豪が相手ではそうは行かないだろう。
【次ページ】自らリズムを作り出すことが今後4年間のテーマ