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香川真司 10年前

「視野が落ち着いていた」。香川、状態上向きで先制アシスト。連動したプレスが安定感もたらす

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ユナイテッドとのスタイルの違いに苦戦する香川

 安定はチーム全体に及んで、連動したプレスへと繋がっていく。オバメヤンが左SBのデシャフト、香川が左CBのヌイシック、インモービレが右CBのムベンバにプレスを仕掛けていったように。

 その中で香川も広く動いて積極的にボールを引き受けて、チームを活性化し続けた。中盤の深い位置まで下がってCBのソクラティスからボールを受けるために降りて行くことがあれば、9分には、センターサークル内から振り向き様に左サイドを上がったシュメルツァーにボールを供給した。

 28分には、スポティッチが縦パスを入れた香川がオバメヤンに落として、さらには前のインモービレに繋がっていくなど、ボールが良く回った。

「今日はちょっと余裕があったというか、ボールを受けたときの視野が落ち着いていた」と試合の後で言うように、香川の状態が少しずつ上がってきているのは確かのようだ。

 しかし12分にはスポティッチからのパスをトラップミスしたところがあったように、上がり切っていないのも事実である。

「(前所属のマンチェスター・)ユナイテッドとスタイルが違うので、まだまだちょっと時間がかかるというか、ただ、他の選手の特徴はある程度もう理解出来ている。

 このサッカーに慣れるにはやっぱり、ハードワークというか求められるものは大きいので、そういう意味ではコンディションというものをチームと、しっかり上げたいと思います」

 香川は「やっていたことは身に付いている」と言う。マンチェスターに渡る前のドルトムントでのプレーのイメージを忘れてしまったわけではない。

 しかしユナイテッドのスタイルもまだ自分の中に残っている。フライブルク戦での鮮烈なインパクトから、なかなかパフォーマンスが上がり切らないのは、単にコンディションの問題だけではないのだ。

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