救世主となったダビド・ルイス。値千金の先制弾でチームに勢い
今夏、メルカートの終了期限ギリギリまで移籍を希望していたカバーニは、イブラの「代役」扱いに、すでに腐っている様子。
その他の選手も、W杯の疲れ、タイトル2連覇達成後の燃え尽き感などでモチベーションがいまひとつ上がらないところに、痛みをかばって出場しているイブラがいつも通りの働きができずにチームに負担をかければ、彼らの戦気も削がれてくるというものだ。
そんなタイミングで迎えたバルセロナ戦だっただけに、選手たちがどんな戦い方をするか、また、ブランがいかに戦術を機能させることができるかは、まったくの未知数だった。
ところが、思いがけないシナリオが待っていた。救世主になったのが、先制点を挙げたダビド・ルイス。
今夏加入したばかりだが、タッチラインから指示を飛ばすブランと頻繁に言葉を交わすなど、すでに支柱的な働きをしているルイスは、さすがにビッグマッチ慣れしたダイナミックなパフォーマンスでチームを盛り立てた。
彼の射止めた先制点で、目に見えてチームに「俺たち、行ける!」というスイッチが入ったのだから、まさに値千金の1点である。
ちなみにルイスは、チェルシーに在籍していた昨シーズン、PSGとのCL準々決勝で、パルク・デ・プランスでオウンゴールを挙げている。「厳密には、初ゴールじゃなくて2点目だよ」と試合後にジョークを飛ばす姿も清々しかった。
そしてベラッティも、在籍3季目にして初ゴール。しかも身長1m64の彼にしては非常に稀なヘディングシュートで、本人さえも「夢の中ででもこんな光景は予想していなかった!」と目を丸くしていた。