試合前、地元メディアはネガティブ一辺倒も
フットボールの世界では、しばしば意外なことが起こるものだが、チャンピオンズリーグ第2節で、PSGが3-2でバルセロナを下した試合もまた、人々の予想を裏切るものだった。
今季それまで1失点も許していなかった鉄壁ディフェンスのバルセロナに対し、PSGは、開幕から8戦で3勝5分。
おまけに、降格圏内にいるエビアンのようなチームに0-0とノーゴールで引き分ける体たらくで、さらにラベッシとイブラヒモビッチという攻撃2枚看板が怪我で欠場という不運も重なり、試合前の仏メディアの論調は「今のPSGにバルセロナのゴールを破るのは無理!」というネガティブ一辺倒だった。
ところが、である。
開幕10分に、ダビド・ルイスがルーカスの蹴ったFKを流し込んで先制点を挙げると、これがチームに火をつけた。
直後にメッシにあっさり1点を返されるのだが、27分に「ベラッティがヘディング」という、出どころもスタイルも珍しいゴールが決まってPSGがふたたびリードを奪い、理想的な形で後半戦に突入した。
すると後半54分、何度か突破の機会があった右サイドから、ファン・デル・ヴィールが上がって横クロス。これにファーポストの外側から飛びこんだマテュイディが合わせて3点目をゲット。
「どうしちゃったんだ、パリ?」というくらい出来過ぎなゴールラッシュでリードを広げ、またしても直後にネイマールに1点を返されるも、3-2で逃げ切ったのだった。
ブラン監督は、終了のホイッスルを聞くと、両手でガッツポーズ。その後ピッチに進み出て、選手ひとりひとりを労った。