プレースキックを評価された本田。酷評続きだった昨季から変化
もっとも前半は、立ち上がりの10分間を除けば攻撃は概ね機能していた。本田にしてもチェゼーナの左SBレンツェッティに張り付かれながら、クレバーなパス出しでアバーテを巧く走らせていたシーンも多くあった。
ファン心理としては戦犯探しと同様、システムやスタイルなどに根本的な問題を求めてしまいたくなるところだが、チームの成熟とともに解決するのを待つほかはないかも知れない。
一方、本田については、プレースキックで結果を出したところがこちらでも高く評価されていた。枠に収めたFKも相手GKに阻まれてしまったが、あれも「惜しかった」と見られていた。
ゴールマウスを守っていた21歳のレアーリはユベントスがパスを持ち、いずれブッフォンの後釜を務めさせるつもりで“武者修行”に出している逸材である。
昨シーズンまでの段階なら、CKから点をアシストしたぐらいでは評点に影響せず、チャンスを作れなかったことを酷評されていたところだ。そういう意味では、メディアの間でも徐々に本田は一目置かれ始めていると見られて良いだろう。
次節のキエーボ戦だが、コリーニ監督もまた戦術的対策の非常に巧い人で、かつ彼らは今夏にかなり積極的な補強を行い戦力は整っている。ことによれば、チェゼーナ戦を上回る苦境が待っているのかも知れない。
確実にチャンスが少なくなる中、これをどう切り開くのか。チェゼーナ戦で見せた精度の高いプレースキックが、勝負を左右する一因にもなりそうだ。
【了】
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