実戦経験の必要性を痛感。クラブの出場機会獲得を
「個人的にはやれるなっていうイメージのほうが強かった」と振り返ったのはボランチの遠藤。右SBの室屋も「1対1のところはやられたっていう印象はなかった」と語る。そうした勝負で個々の選手が必ずしも負けていたわけではないが、そもそも数的不利の場面が多かった。
つまりは単純なフィジカル面の差ではなく、状況に応じた判断力や決断力、戦術の効率性という部分で下回っていたのだ。だからこそ、それらをもっと高めて、数的不利や後手に回る状況を無くす必要がある。
2歳の年齢差にオーバーエイジの有無は勝負の言い訳にならないが、実戦経験の必要性を痛感させられたことは今後に向けて大きい。
「ゲームでのやりたいことが出来ない時にコントロール、勝負にこだわった時のメンタリティはさすがに、今日のようなシチュエーションでなければ得られない」
手倉森監督は韓国戦で得た経験を「成長のための財産」と表現したが、五輪予選に向けては厳しい状況での耐性を強めるだけでなく、イラクや韓国の様な相手に対しても、自分たちのペースに持っていく力を付けていく必要がある。
「Jリーグで90分を出ていない選手たちは、これくらいタフな展開になった時は少し体力的に厳しいものがある。まずポジションを取ることもそうだけれど、自分で自分を高めていく意識を、今日の悔しさから学んでくれればと思う」
そう手倉森監督が語る様に、選手個人がJリーグで試合に出て実戦的なプレースピードを磨くことが重要だが、チームとしても再び集まった時にやり直しではなく、これまで積み上げたものにプラスしていくべきだ。
もちろん全く同じ顔ぶれで五輪予選を戦うとは限らないが、チームの土台をフレッシュな選手もスムーズに共有し、さらに高めていけるかどうかカギになる。
【了】
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