J1残留へ大きな勝点3を掴んだ大宮
両チームの、勝利への意気込みが伝わってくるような90分だった。
前半立ち上がりに押し込んだ大宮アルディージャは、左サイドを崩すと中村北斗のクロスにズラタンが頭で合わせる。開始9分で、欲しかった先制点を奪ってみせた。
しかし、後半に入ると清水エスパルスが息を吹き返す。5分、河井陽介のクロスをノヴァコビッチが頭で落とすと、本田拓也がバイシクルシュートを決めて同点。その後も清水が怒涛の攻撃を見せるも、大宮はGK北野貴之を中心に守備陣が奮闘し、逆転は許さない。
すると28分、CKを家長昭博が右足ボレーを決めて大宮が勝ち越しに成功。J1残留のために絶対負けられない直接対決で勝利を飾った。
チーム一丸となって掴んだ貴重な勝点3。苦しい試合の中で、大宮のルーキー・泉澤仁も90分間ピッチを駆け回った。
先制点の起点になったのは、阪南大学から加入したこのスピードスターだった。
サイドチェンジを左で受けると、相手に向かってドリブルで仕掛ける素振りを見せながら、オーバーラップしてきた中村へパスを出す。これがズラタンのヘディングゴールに繋がった。
駆け上がってきたSBを活かすのはサイド攻撃のパターンのひとつだが、この場面では相手との駆け引きがあった。
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