9月25日、J2のジュビロ磐田がクラブOBで元日本代表MFの名波浩氏の監督就任を発表した。シャムスカ監督の成績不振を理由にしたもので、名波氏は26日に会見を行い、その日の練習指揮を執っている。名波氏にとっては初となるJリーグの監督就任。かつての黄金期の復活を願うジュビロ磐田サポーターからは期待は大きい。
ただその一方で、悲しんでいるサッカーファンも少なくない。名波氏といえば、現役時代は日本代表の10番を背負い、1998年のフランスワールドカップにも出場。正確な左足のキックを武器とする歴代日本代表でも屈指のパサーとして、サッカーファンから長く愛されていた。
技術だけではなく、高い戦術眼に定評があり、現役引退後には、その視野の広い解説者ぶりで、ここ数年は民放やCS放送から引っ張りダコだったからだ。
例えば、人気サッカー番組「やべっちFC」を中心にテレビ朝日での出演の多い彼は、日本代表戦の中継でも抜群の存在感を発揮。
松木安太郎、中山雅史、セルジオ越後といった個性的な解説陣に埋没することなく、戦況を冷静に見つめるレポートを入れることで有名だった。彼が監督業に専念するということは、解説者としての姿を見ることができなくなるということでもあり、ネット上でも
「松木やセルジオを泳がせつつ、的確なコメントするあのポジションの代わりはそうそういない」
「テレ朝は有能な人材を失った」
などとテレ朝実況席における絶妙なバランスが崩れることを惜しんでいるサッカーファンの声があがっている。
28日には、名波監督にとっての初陣となる愛媛FC戦が控えている。解説者ではなく、監督としての手腕が試される一戦として、サッカーファンから熱い視線を集めそうだ。
【了】