注目はサイドの攻防。コンビでの崩しが出来るか
アジア大会の男子サッカーは準々決勝に突入。U-21日本は開催国の韓国と対戦する。U-23にキム・シンウク、パク・チュホ、イ・ジェソンと3人のオーバーエージを加えた韓国はイラクと並ぶ優勝候補で、金メダルの場合は兵役免除というある意味で人生もかかっている。
しかし、日本も大会を通じてチームが調子を上げてきている。手倉森誠監督は「ここで勝つと、本当の自信を持って五輪予選を迎えられる」と意気込みを語っており、中2日という過密日程の中でも、韓国に対してしっかり対策を練って試合に臨むだろう。
韓国はここまでマレーシアに3-0、サウジアラビアに1-0、ラオスに2-0、そしてラウンドオブ16で香港に3-0と無失点で来ている。実際、主将をつとめるチャン・ヒョンスを軸としたDFラインは手堅く、A代表のGKキム・ジンスの直接的な守備機会はあまり多くない。
サイドの守備も強く、そう簡単に突き崩すことはできないが、これまで日本ほどポゼッションのできる相手と対戦しておらず、中盤の主導権を握った状態から、相手の直線的な攻撃をシンプルに跳ね返せば良かった。
日本としては大島僚太や原川力が得意のショートパスで相手の守備を揺さぶり、タイミングよくワイドに展開すればチャンスは広がりやすくなる。パレスチナ戦で改善されたのは鈴木武蔵の周囲をウィングや2列目の選手が入っていく動きだ。
野津田岳人と室屋成のコンビで右サイドを突いた場合、鈴木がニアサイドに走り、中央に原川、ファーに中島といった形で飛び込む。あるいは中央で構える鈴木の手前で中島がリターンを受け、コンビで崩すといったバリエーションに選手たちが連動できているのは強みだ。
中盤を軸としたワイドな揺さぶりとバリエーションのある連動。それらがうまくはまれば屈強なディフェンスを破るチャンスも出てくるはずだが、韓国のイ・グァンチョンも日本のパスワークを警戒のポイントにあげており、中盤に厚みを付けて戦うことを示唆している。