古巣対決でゴールを奪えるか
川又は加入直後の20節・ガンバ大阪戦でベンチ入りし、61分には途中出場を果たす。起用されたポジションはFWではなくサイドハーフだった。相手のサイドバックを牽制しつつ、機を見てゴール前へ顔を出すよう求められた。
FWで出場したいという思いも強かったはずだが、ピッチに立てることを喜んでいるかのように、ガムシャラに走った。
最近は本来の仕事場であるFWで出場しており、相手ゴール前での怖さも戻ってきた。
移籍後初ゴールが生まれたのは、22節の川崎フロンターレ戦。強敵相手に同点ゴールを決め、貴重な勝点1奪取に貢献した。
続く横浜F・マリノス戦では、クロスボールに頭から飛び込む泥臭い得点を奪ってチームを勝利に導く。貪欲にゴールを目指す川又が完全復活を果たした。
そして、前節のセレッソ大阪でもゴールハンターぶりを見せつける。19分、左からのクロスが上がると、ファーサイドに回り込んでいた川又は一気にスピードアップ。ニアサイドへ走り込み、DFの前でヘディングシュートを叩き込んだ。
横浜FM戦とC大阪戦ではいずれも嗅覚の鋭さを見せつけた。味方のお膳立てもパーフェクトだったが、相手より先にそのポジションに侵入していた。
チームは復調し、川又も得点量産態勢に入ろうとしている。お互いにとって、この移籍は正解だったといえる。
上り調子の名古屋が今節対戦するのは新潟だ。古巣との対戦には複雑な思いもあるだろう。だが、名古屋が11位、新潟が12位と順位も拮抗しており、どちらにとっても負けられない一戦となる。
新天地で復活を遂げた川又。名古屋がひとつでも順位を上げるためにも、このストライカーの活躍が不可欠だ。
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