しのぎを削る中東航空会社。エミレーツの13/14総売上は2兆円超!
次表は、この上位10チームが胸スポンサーシップを結んでいる企業群である。このなかの6チームが中東航空会社と締結しているため、欧州サッカーが中東航空会社による代理戦争だと比喩されるゆえんでもある。
レアル・マドリーは12/13シーズン、5億1,890万ユーロ(約716億820万円)を売り上げ、そのうちコマーシャル収入は、エミレーツと交わした胸スポンサーシップの年間3,900万ドル(約42億円)を含め、2億1,160万ユーロ(約292億円)に及んだ。
6社だけで構成されるFIFA(国際サッカー連盟)の公式パートナーでもあるエミレーツが13/14に上げた総売上は、826億3,000万AED(1AED=約30円)で、日本円に換算すると約2兆4,790億円。
ついでにいうと、他の5社とは、アディダス、コカコーラ、ヒュンダイ/キア自動車、ソニー、ビザカード。
同期のエミレーツの広告宣伝費は、54億2,100万AED(約1,626億円)『以下』である。
『以下』というのは、広告宣伝費は、財務諸表上では、チケット販売に協力してくれた旅行代理店などに支払う販売手数料という項目に含まれてしまうため、正確な数字がつかめないからだ。
Jリーグ黎明期に清水エスパルスの胸スポンサーだった日本航空は2013年、世界エアライン評価『トップ・パフォーマンス・エアライン』で1位に輝き、そして迎えた2014年3月期決算は1兆3093億円。エミレーツの約半分で、販売手数料は241億だった。
1998年に解散した横浜フリューゲルスの胸スポンサーだった全日空の同期決算は1兆6010億円で、日本航空を完全に凌駕し、販売手数料は670億円。エミレーツとの売上比率からいっても、もう一度、日本サッカーのために力を貸してくれることはないのだろうか。
さらにエミレーツは、サッカーの王様ペレとレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウドとグローバル・アンバサダー契約を結び、2人は同社のCMにも登場している。