4点を奪ったが、いつものように守備意識を高く持ったFC東京
前節を終わって、FC東京の順位は8位。大きな期待を受けながら躍進し、注目を浴びるものの、最終的には中位でフィニッシュというこれまでと同じような結末を迎えようとしている。
だが、これまでのチームカラーとは正反対の哲学を持つ新監督を迎えており、いきなり結果を出せというのも酷な話である。
守備を第一に考える。これはFC東京というクラブとは無縁の概念だった。
4試合連続ドローのFC東京。勝利から遠ざかっているものの、裏を返せば負けていないということ。今シーズンは特に守備の構築に励んでおり、黒星がないことをポジティブに捉えるべきだろう。守備のメソッドを身体に染み込ませている最中で、今はまだ試行錯誤が続いているが、マッシモ・フィッカデンティ監督の哲学を身につけられれば、FC東京のチーム力は更に向上するだろう。
今節は徳島ヴォルティスを相手にゴールラッシュを見せて4-0で勝利した。結果的に4点を奪ったが、試合が進む中で守備の意識はむしろ強まった。
この日もアンカーの高橋秀人が最終ラインに吸収される形でブロックを固めている。後半は相手エースの高崎寛之に仕事をさせなかった。
最下位のチームが相手であり、力の差は確かにあった。だが、この日の勝利は上位戦線に踏みとどまったという意味でも大きかったはずだ。
複数得点でリードを広げ、守備では集中を切らさず最後まで相手をブロックする。こうした磐石の戦いをするには、やはり得点を奪うことが先決。
自らのゴールを含む3得点に絡んだ河野広貴は、勝利の立役者と呼べるだろう。