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本田圭佑 10年前

エンポリ戦、現地紙は一様に本田をスタメン予想も指揮官は明言避ける。「体調次第ではベンチスタートもある」

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

異色の指揮官率いるエンポリ。本田とアバーテの連携が鍵握る

 さて今回アウェーで対戦する昇格組のエンポリだが、現在カリアリ、トリノと最下位タイ。だが油断は禁物。ここまでの3試合では、勝ち点1で終わっているのが不思議なくらい良いサッカーを展開していた。

 開幕のウディネーゼ戦ではディ・ナターレの2ゴールで勝利こそ逃したものの、アウェーで主導権を握った。次の試合ではローマと互角以上に渡り合い、第3節のチェゼーナ戦では序盤に2点を先行されるが、85分間をまるまる支配してドローをもぎ取った。

 チーム構成はかなり面白い。前線ではあのタバーノが35歳で未だ主力、しかしセンターラインは若手が躍動する。ミランの下部組織出身のベルディはトップ下からキレのある突破を見せ、最終ラインを統率する生え抜きのルガーニ(U-21代表)は来季のユーベ入りが内定。スタメンの殆どがA初挑戦ながら、それぞれが自信にあふれて溌剌とプレイしている。

 これらの選手をまとめあげ、チームとして機能させているのは55歳のマウリツィオ・サッリ監督だが、この人の経歴はとんでもなくユニークだ。選手として輝かしいキャリアがあるどころか出自は元銀行員。余暇にサッカー指導に興じていたところ趣味が高じてプロ監督へ転身、24年目にしてセリエAに初挑戦となった。ある意味、インザーギとは真逆の存在である。

 そんな頭脳派のサッリは、綿密な相手の研究と緻密な練習メニューの立案に定評があるという。「開幕からの3試合は良いゲームを展開していた。今度も大変な試合になるだろう」とインザーギ監督は警戒していた。

 本田が右サイドで出場する場合には、ビッグクラブの獲得リストにも登ったアルバニア代表SBのヒサイ、32歳にしてセリエA初挑戦の左インサイドMFクローチェが対峙する。彼らの連動した攻撃を断ちつつ、アバーテとの連係でサイドを崩せるかどうかに注目だ。

【了】

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