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擁護派多い現実が物語る“レアルの象徴”の弱体化。“聖域”カシージャスが迎えるかつてない試練の時

text by 山本美智子 photo by Rafa Huerta

カシージャス反対の意見多く。擁護派もいるが…

 現在、そのナバスを制して、カシージャスがスタメンを手にしているが、今季初めてベルナベウでカシージャスに対するブーイングが起きた。カシージャスという聖像が崩れた瞬間だった。

 とうとう、サポーターが2002年からマドリーの守護神だった男にNOを突きつけ始めたのだ。実際、地元紙が行ったアンケート結果でも、チャンピオンズリーグではナバスのスタメンを望むといった声が全体の6割から7割を占める前代未聞の結果が出た。

 もちろん、依然としてカシージャス擁護派も多い。それはサポーターのみならず、テレビメディアで活躍するマドリー番記者にも多く見られ(最も、記者というよりは、ファン代表といったレベルの記者も多いのだが)、サッカー番組では「このゴールをカシージャスは防げたか、いや、これはカシージャス以外でも防げなかった」などと無意味な議論に多くの時間を費やしている。

 昨季の欧州王者でもあるレアル・マドリーのゴールマウスなのだから、議論になるのも当然だが、「擁護」されなければならないほどカシージャスが弱体化している現況は、普通ではない。

 実際、国内リーグで4節を終えたマドリーの失点数は8。今季リーガにおけるワースト5に入る。順位表の上位3クラブで最も失点の多いアトレティコ・マドリーでさえ、失点数はレアル・マドリーの半分の4だ。

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