J1第24節終了時、今季の得点王争いに異変が生まれた。

　これまで11得点で2位につけていたヴィッセル神戸のペドロ・ジュニオールが、前節清水エスパルス戦で2得点をあげて13得点に達した。これにより、長らく1位をキープしていた川崎フロンターレ・大久保嘉人の12得点を抜いて、一気に単独トップに踊り出たのである。

　だが、今節25節は、スポンサー看板の破損で2試合の出場停止処分を受けていた大久保嘉人が復帰。約2週間のインターバルを経たことで「コンディションはマジで良い。身体が軽いし、疲れる前の状態になった。そこが全然違う」と明るい表情で話し、「休んだことでリフレッシュできたし、サッカーやりたいという気持ちになった」とメンタル面での充実も口にした。

　前節のFC東京戦はチームとして無得点で終わっただけに、最大の得点源であるストライカーの戦列復帰には、味方も高い期待を寄せている。風間監督が、「3試合じゃなくて、10試合分ぐらい働いてもらいたいね」と冗談を飛ばせば、主将の中村憲剛も「ヨシト（大久保嘉人）が帰ってきてくれたのは大きい。本人も試合に飢えているだろうし、言われなくてもやってくれると思っている」と信頼を口にした。

　大久保自身は、前日に美容院で金髪から黒髪に染め直すなど、心機一転。「20得点はいきたいね。今年は（得点王争いの）レベルが低いと思うので」と触れて、「自分の中でスイッチが入ったし、ゴール前でまた集中できる。去年の最後のように点が取れるように貪欲にやっていきたい」とゴールを誓った。

　昨年の得点王の巻き返しが始まるか。

【了】

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