守備に忙殺されたのは戦術的な問題か、体力的な問題か…
またこのシーンでは、“ニセ9番”メネズを始めとしたパスの預けどころも全て消されていた。
この頃はチーム全体が防戦一方。相手のプレスの圧力に負けて中盤とDFラインが押し下げられる中、右の本田、左のエル・シャラウィともに守備へ忙殺されていた。
「点を取るべきFWにSBの仕事を強いて消耗させては反撃などやりようながない」と地元紙は批判していた。
ただ彼らが守備をして外を固めなければ、パルマ戦のように外からどんどんボールを放り込まれていたところだ。戦術面での詰めがもう少し必要だったのか、それともユーベの選手たちのプレー強度について行けなかったという体力的な問題だったのか。
そこのところの疑問が「もう少し分析しないといけない」という本田の台詞に繋がっているのだろう。
もっとも再建途中にあるミランが、現時点でユベントスとはチーム力に差があることは指揮官も織り込み済み。インザーギ監督は試合後「チームに失望はしなかった。むしろユベントスとはもう少し差が開いていると思ったくらいだ」とさえ語っていた。
ここからチームとして、どのように完成度を高めて行けるのか。開幕2連勝の熱狂から、チームの成熟に向けての課題が改めて突きつけられた格好だ。
そして本田については、プレー精度の追求を一層図りたいところだ。ユーベ戦のように押し込まれてチャンスの少ない中で、どれだけそれを活かせるか。
前半25分のシュートは惜しくはあったが、決めていれば勝てたとは言わないまでも、試合の流れを手中におさめることは出来たはずだ。次節エンポリ戦以降の奮起に期待したい。
【了】