後半はインテンシティが持続せず
確かにこのあたりには疑問が残った。本田は前半からキエッリーニとアサモアの2人に警戒されてはいたが、この2人相手に抑えられた自体は恥ではない。
むしろキエッリーニの立場から言えば、一度きりとはいえ本田にコースへと入られ、まんまとシュートを許したことは致命傷になりかねない失態だった。実際21日の地元紙は、キエッリーニに対して辛口の評価をしている。
守備的なプラン、しかも強豪を相手に前半に一度決定期を作れたことには及第点の価値がある。問題は後半にインテンシティが持続せず、カウンターすら繰り出せなくなったことにある。
象徴的なシーンがある。後半16分、ラミが中央に入って来たボールをなんとか?き出す。これは右サイドを転々とするが、ユーベの選手が詰め寄る前にこれを拾ったのは、深い位置までカバーに入った本田だった。
これを大きく前へとクリアし、ピンチを凌ぐ。ところがスタンドから起こったのは拍手よりも、落胆のため息だったのである。
「そこは丁寧に攻撃へ繋いで欲しかった」という思いだったのだろう。確かにその通りなのだが、サイドの深いところまで戻るまでが精一杯で、そこから先の精度をキープする体力を残していなかったのではという見方も出来る。