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Jリーグ 10年前

完勝の浦和が首位をキープ。リスクマネジメントをしながらゴールへの渇望は失わない

首位を走る浦和レッズは、柏レイソルに対して公式戦3連敗中だった。しかし、この日は浦和が攻守において高いクオリティを発揮した。

text by 青木務 photo by Getty Images

1点は失ったが完勝といえる内容

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守備を統率し先制点も決めた那須【写真:Getty Images】

 試合序盤、どちらも攻勢を仕掛けた。浦和レッズは柏木陽介と槙野智章がチャンスを作ると、柏レイソルもカウンターからゴール前に迫る。両チーム共に迫力のある攻撃を見せたが、その後は浦和がボールを繋ぎ、柏がブロックを作ってスペースを埋めるという構図になった。

 サイドを広く使う浦和は21分、右サイドの平川忠亮が精度の高いクロスを送ると、後ろから勢いを持って走り込んだ那須大亮が叩きつけるヘディングシュートでネットを揺らした。

 2点目は28分。後方からのフィードを興梠慎三が収めると、李忠成がヒールで流す。これに走り込んだ柏木が軽やかに相手をかわし、得意の左足で2-0とする。

 前半終盤に1点を返されたものの、それ以外は浦和が磐石の試合運びを見せた。

 51分、裏に抜け出した興梠が柏・GK菅野孝憲にPA内で倒される。遅延行為で1枚イエローカードを受けていた菅野を退場に追い込み、PKを興梠が決めて3点目を奪う。83分にはエドゥアルドも退場し、最終的に柏は9人になってしまった。

 数的優位の浦和は前半より多くの決定機を迎えた。結局、追加点はPKによる1点にとどまったものの、浦和が首位を走るチームらしい強さを見せて勝利した。

 柏には公式戦3連敗中だったが、苦手意識はなかった。

「前回の試合もどちらかというと自分たちで取りこぼした形だったので、今日の試合も自分たち次第だと思っていました」

 そう話すのは、守備を統率し先制点も決めた那須だ。スカウティングから相手がどういう戦い方をしてくるかも確認できており、「その中で質の差は生み出せると思っていた」という。

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