アバーテがオーバーラップ出来ず。本田との右サイドがちぐはぐに
そして、何よりもこの試合で苦戦した要因となったのは、右サイドバックのアバーテが自陣に留められてしまったことだろう。
開幕戦のラツィオ戦も第2節パルマ戦も右ウイングの本田が中央に進入することで右サイドにスペースが生まれ、そこへアバーテがオーバーラップすることでチャンスを生み出していた。
その開幕2戦でのアバーテのプレーエリアを見ると、ラツィオ戦ではアタッキングサードの右サイドエリアが22.86%、パルマ戦での同エリアでは20.9%を記録している。これは、パルマ戦に左サイドバックで出場したデ・シリオが同左サイドエリアで6.12%だったことからも非常に高い数字であることが分かる。
今シーズンのミランにおいて、本田とアバーテによる右サイドでの連動した動きは攻撃の柱として重要な役割を担っていると言えるだろう。
しかし、ユヴェントスは易々と相手のやりたいことをやらせてくれるようなチームではなかった。
この試合でのアバーテのプレーエリアを見ると、アタッキングサードがわずか10.71%。開幕2戦からは半分の数字に留まり、何よりもペナルティエリアの横のスペースには一度も進入出来ていなかった。
その一方で、本田のプレーエリアを見ると、アタッキングサードの中央エリアが25%。ラツィオ戦が15.1%で、パルマ戦が15.56%だっただけに、ユヴェントス戦ではこれまで以上に中央へ進入する動きを見せていたということになる。
メネズが低い位置で抑え込まれているため、空いた中央のスペースに本田が入っていったものの、アバーテはクワドォー・アサモアの圧力によって上がることが出来ず…。こうして攻撃の形を作ることが出来ずバランスを崩したミランは、後半にチャンスらしいチャンスを作ることも出来ず敗戦を喫した。