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Jリーグ 10年前

失点が多い清水、守備を立て直さなければ大敗も。神戸は前節残った課題をクリアできるか

監督を代えた清水エスパルスだが、思うような結果を得られず浮上のきっかけは掴めていない。対するヴィッセル神戸は前節、試合を支配しながら勝ちきれなかった。勝利に飢える両チームの対戦の行方は。

text by 青木務 photo by Getty Images

苦戦続く清水。不安定な守備は改善できるか

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勝利から見放されている清水【写真:Getty Images】

 7月27日の柏レイソル戦を最後に、アフシン・ゴトビ前監督を解任した清水エスパルス。後任にはユースチームを率いていた大榎克己氏が務めることになった。

 就任後、最初の試合となったFC東京戦は、守備を意識したものの前半だけで3失点を喫し、0-4で敗れた。完敗といえる結果だが、監督交代直後だったことを考えれば仕方のない部分はあった。

 この試合でマークの甘さやカウンターを受けた時の対応など、問題点を再確認できた。この時がチームの底と思えば、その後の戦いに向けて収穫と言えた。

 翌節の徳島ヴォルティス戦では1-0と勝利。選手たちは大榎監督に初勝利をプレゼントした。大前元紀やノヴァコヴィッチにボールが入ると、周囲の選手たちが素早くフォローし、攻撃に厚みをもたらした。前監督時代は、各々が担当ポジションを離れることが少なかった。守備の陣形が整いやすいという利点はあったが、攻撃面では選手たちのアイディアが制限されてしまう場面もあった。だがこの日、選手たちは大胆な動きでピッチを躍動。リスクを恐れないプレーでチャンスを構築していった。

 清水が浮上のきっかけを掴んだかに思われたが、その後は1分3敗と勝利から見放されている。

 深刻なのは、問題視されてきた守備だ。4試合で12失点を奪われており、どの試合も複数得点を許す苦しい展開を強いられている。

 21節の鹿島アントラーズ戦では、同点に追いつかれた直後に相手に退場者が出た。にもかかわらず、清水は数的優位を活かすことができなかった。落ち着いたプレーができずに相手を勢いづかせると、カウンターからピンチを招く。そして、決定機を阻止したイ・キジェがレッドカードを受けて退場。あっという間に数的同数になっただけでなく、FKを小笠原満男に決められて逆転を許す。さらにダメ押しの3点目を奪われて敗れた。

 この試合からもわかるように、失点の多さは守備陣だけの責任ではない。試合状況を読み取り、やるべきプレーを選択することができなかった。それは監督が代わったからといって劇的に変わるものではない。ピッチに立つ選手たちが判断しなければならないものだ。

 

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