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フットボールマネーを追え!【05】海外放映権に加え、国内にも強固な基盤を持つプレミア。その背景には“ファンも育てる”育成方針

シリーズ:フットボールマネーを追え! text by 小松孝 photo by Getty Images

ファンも育てるFA。プレミア年間チケット購入者の12%が16歳以下

フットボールマネーを追え!【05】海外放映権に加え、国内にも強固な基盤を持つプレミア。その背景には“ファンも育てる”育成方針
プレミアリーグのシーズンチケット購入者の12%が16歳以下で占められている【写真:Getty Images】

『サッカーは、サッカーでしかうまくなれない』という諺(ことわざ)があるように、試合経験を積めば積むほど選手は成長するが、イングランドのジュニア世代は、自らが試合を楽しむだけではなく、サッカーを観る目も同時に養っている。

 プレミアリーグのシーズンチケット購入者の12%が16歳以下で占められているのだ。

 FAが目指す育成方針の結果として、優秀なプロ選手を育てることのみならず、その他大勢のサッカーファンをも同時に育てているとしたら、これほど優れた経営はない。

 その証拠に、英国内を2分するスカイスポーツとBTスポーツによるプレミアリーグ視聴者数は、1試合当たり132万人を記録する。これが1節に10試合もあるわけだから、『おらが町のクラブ』の試合結果に一喜一憂するファンの数は言わずと知れる。

 FAの経営能力は、それだけにはとどまらない。全部で20チームあるプレミアリーグのなかで、優勝クラブと最下位クラブの収益差が、わずか1.57倍の開きしかないことだ。

 1試合当たりのスタジアム平均収容率が96%という数字からも分かるように、どのクラブも毎試合ほぼ満席であるうえに、巨額の放映権収入は一括管理され、そのうち半分が順位に応じて変動するものの、残りの50%はすべて均等に割り当てられているからである。

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