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世界に広がるコモンウェルス加盟国。プレミア放映権収入にも大きな影響
世界人口70億人のうち、20億人を超える巨大なコミュニティーが、この地球上に存在する。
その頂点に君臨するのがクイーン・エリザベス2世ということからも分かるように、イギリスが大英帝国時代に植民地として支配していた多くの地域を現在、イギリス連邦(コモンウェルス・オブ・ネイションズ)と呼び、今もなお総勢53にまたがる国を1つのファミリーとして束ねているのである。
そのなかで、12億人の人口を抱えるインドが含まれてはいるものの、これらの国々では、英語が公用語(あるいは準公用語)とされ、政治や経済のつながりだけではなく、公共放送の分野でも1つにまとめられている。
CBA(コモンウェルス・ブロードキャスティング・アソシエーション)と名付けられた世界最大の放送協会(本部はロンドン)が中心となり、コモンウェルス加盟国間での情報交換をはじめ、デジタル放送への切り替え支援などの事業が行われているのだ。
プレミアリーグが12/13シーズンに上げた収益29.46億ユーロ(約4,065億円)のうち、約半分の15億ユーロ(約2,070億円)が放映権による売り上げで、その約4割は海外からのものである。
さらに一昨年に調印された、13/14から15/16シーズンまでの3季分の契約総額は、55億ポンド(約8,800億円)にまで膨れ上がった。
内訳は、英国内からが約34億ポンド(約5,420億円)で、残り約21億ポンド(約3,380億円)が海外から。
そして、その海外からの源泉として、約43%のシェアを誇るアジア市場のなかで、約22%を占めるタイの新興ケーブルテレビCTHの躍進もさることながら、こうした縦糸と横糸でしっかり縫い込まれたコモンウェルス加盟国からの売り上げが深く根を張っているのである。
ついでにいうと、日本のJ1の総収益(18クラブの合計)は約550億円で、放映権収入に至っては、わずか50億円程度であり、これはプレミアリーグの最下位のクラブが得る放映権収入よりも低い。