「パーフェクトに近かった」。新戦術で再び欧州を席巻へ
今は負傷中のロイスが、今シーズンは4-2-3-1のトップ下や、4-1-4-1の2列目インサイドに入っていた時から、新たな戦術の兆候はあった。正確な技術とスピードで中盤から縦に素早く繋ぐサッカーを、クロップは試みていた。そして頭を悩ませた末に、0トップという解答を見出しつつあるようだ。
「ゲーゲン・プレッシング+ 0トップ」――48分の決勝点は、その形が実った格好となった。ソクラティスの中盤を目がけたキックから、オバメヤンが拾って、左のグロスクロイツへ。
インモービレが空けたスペースにオバメヤンが飛び出して、再びグロスクロイツからボールを受けると、最後は相手のGKシュツェスニーを代わしてゴールに叩き込んだ。
2-0というスコアだけでなく、ドルトムントの「総シュート数24本・枠内シュート数7本」に対してアーセナルの「総シュート数4本・枠内シュート数1本」と、内容でも相手を圧倒する。
クロップは試合後に「パーフェクトに近かった」と述べたように、あくまで「近かった」のであって、まだ「パーフェクト」ではない。つまりまだ完成し切ってはいないが、クロップは新戦術とともに再び欧州を席巻しつつある。ドルトムントの新たな可能性が垣間見えたアーセナル戦だった。
そして今日は出番の無かった香川が、クロップの新たな戦術の中で躍動する姿は、十分に考えられるところである。
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