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“ドルトムントらしい勝利”。カギは攻撃的CB。積極的な縦方向への意識がスピードある前線を生かす

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

速攻スタイルに不可欠な“攻撃的CB”

“ドルトムントらしい勝利”。カギは攻撃的CB。積極的な縦方向への意識がスピードある前線を生かす
縦パスを何度も出したスボティッチ【写真:Getty Images】

 アーセナルの2人が敵陣でパスを通したのは、ともに1回ずつの計2回。その他は全て自陣内で収まっており、大半が相手を牽制するための横パスである。さらに、パスの終着点もいわゆるアタッキングサードの手前までとなっている。

 対してドルトムントは、スボティッチだけで11回もハーフウェーラインを越えた位置からパスを通しており、34本中半数の17本が縦方向へのパスとなっている。そして、パスの終着点はアタッキングサードどころか、ペナルティエリア内にまで及んでいる。

 もちろんアーセナルは徹底的に繋ぐポゼッションスタイルのチームなので、このセンターバック2人のプレーが悪かったということではない。しかし、この後方での停滞がパス本数で上回りながらドルトムントよりもアタッキングサードまで運べなかった要因の1つとも言えるだろう。

 そして、ドルトムントのような速攻やショートカウンターを主体とするチームにスボティッチのような“攻撃的センターバック”の存在は不可欠だ。

 また、負傷離脱中のフンメルスはソクラティス以上に攻撃センスの高いセンターバックであるため、復帰すればフンメルス&スボティッチのコンビによってドルトムントの攻撃力は更にアップするはずだ。

 香川真司はベンチのまま出場機会がなかったが、やはりこの試合のような“ドルトムントらしい試合”での彼を見たかった。復帰戦となったフライブルク戦での活躍も素晴らしかったが、この試合こそ香川の敏捷性やテクニックが生きたはずだ。

 ただ、この試合に欠場したことで20日のブンデスリーガ第4節マインツ戦では出場する可能性は高く、この試合でフンメルスも復帰する可能性がある。

 香川が先発となれば、インモービレとオーバメヤンが揃うことがあるのかは分からないが、この3人は一言に「速い」とは言え、全く異なる個性を持っているだけにどのようなハーモニーを奏でるか楽しみだ。

 さらに、そこへロイスが加われば…。夢は膨らむばかりである。

【了】

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