周囲とのコンビプレーによってフィニッシュに絡む
「私は前半、美しいコンビプレーとファンタスティックなゴールを見た」
14日のパルマ戦後、インザーギ監督は記者会計の場でこういって喜んでいた。後半のカオスな展開から、泥試合ここに極まれりという印象ばかりが強く残っているが、指揮官は前半のパフォーマンスを根拠にチームを褒めていた。
そして前半決まったうちの2ゴールに、本田が絡んでいる。DFにチャージを受けながら出したボナベントゥーラへのアシストに、アバーテのクロスに飛び込んだヘディングシュート。批判を浴びせていたことなどどこ吹く風、ある地元記者は「本田は点取り屋として覚醒し、今季は二桁ゴールを挙げるだろう」などと吹聴していた。
ただ、この記者の言い分には統計上の根拠がある。本田のゴールは開幕2戦連発、夏の練習試合からカウントすれば5試合連続だ。かりにこのペースを維持出来れば、あと8ゴールなど早々に達成出来る。そう考えれば、二桁ゴールはたしかに十分現実的な数字ではある。
さらにプレーを振り返れば、本田を取るべくして点を取っていることが分かる。直接FKを決めたバレンシア戦を除けば、ここまでのゴールは全て流れの中から。周囲とコンビプレーを形成した末に、エリア内へ飛び出してフィニッシュへと絡む形が身になりつつある。パルマ戦の1ゴール1アシストは、まさにその中で生み出されたものだ。
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