バルセロナのユースチームに所属するU-16韓国代表のFWイ・スンウが絶賛の嵐を浴びている。イ・スンウは、14日に行われたAFC U-16アジア選手権準々決勝の日本戦で2得点を挙げて2-0の勝利に貢献。
まずは前半42分に1点目。ペナルティエリア手前で左サイドのMFキム・ジュンミンにパスを出すと、一呼吸を置いてエリア内に進入。ドリブルで切り込んだキム・ジュンミンからのマイナスの折り返しを右足で合わせた。
そして、圧巻だったのは後半2分の2点目。ハーフウェーライン手前の自陣でボールを受けると、そのままドリブルでの突破を試みる。日本の守備陣もイ・スンウを止めるために追走するものの、圧倒的なスピードに乗ったドリブルを前に止めることが出来ず、最後にはGKをもかわしてゴールへ流し込んだ。
この衝撃的なプレーを披露したイ・スンウに対してスペインのムンド・デポルティボ紙は「ドラマチックなゴール。新たな芸術作品を作り、アジアを驚かせ続けている」と報じ、スポルト紙は「U-16選手権で最高のパフォーマンスを示すことは、彼の運命だった」と称えている。
対するU-16日本代表は、この敗戦によって来年にチリで開催されるU-17W杯への出場権を逃した。アンダー世代の選手たちにとっては世界を体感出来る貴重な舞台だけに、この敗戦は痛い。
しかし、同世代にイ・スンウのようなライバルがいることは今後の成長のためにも歓迎すべきことだろう。U-16の時点で差を付けられていても5年後、10年後も同じとは限らない。彼の存在を刺激に大きく成長して欲しい。
さらに、イ・スンウもまだ若干16歳。少年期に圧倒的な才能を有していても最終的には大成しない選手は過去にも数多く存在する。現状に満足せず、バロセロナという最高の環境で成長を遂げることに期待したい。
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