ペップの目に香川はどう映る?
10日付のビルト紙は7対7のトレーニングにフリーマンとして参加するペップを報じた。
一般的に、試合中にコーチングゾーンで身振り手振りを交えながら選手達に指示を送る監督は、頭の中に具体的な設計図があると言われる。ペップも試合中は少し大袈裟なジェスチャーで指示を送っているが、頭の中の詳細な設計図を元にしているのだろう。
そして試合に入れば自然と秩序が造られるように、件の練習ではフリーマンとして自ら選手達にボールを叩き込んでいたのではないだろうか。
8月6日付のビルト紙に掲載されたインタビューでマリオ・ゲッツェが「試合の中で全ては直観的に起こる」と述べたが、秩序はゲームの最中に無意識に造られるがゆえに、混沌のように感じられるのである。
ビルトが報じたトレーニングだけでなく、普段からそのような方向性で練習は行なわれているのだろう。
15日付のキッカー紙は、2-0でバイエルンが勝利したシュトゥットガルト戦を報じる記事の中で「特に指揮官ペップ・グアルディオラは自身の戦術的実験を妨げられることなく続行する」と記した。
ペップの目には、日々センセーショナルにメディアを賑わした香川は、自らの野心を打ち砕く可能性として映っているだろうか。それとも結局は理想への過程に過ぎないのだろうか。
11月1日、ペップ・バイエルンは香川が帰還したドルトムントを迎え撃つ。
【了】
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