史上最速優勝は1度で十分。香川に地元メディアも期待
過熱の一途を辿った連日の「帰還」報道を振り返ってみると、ドイツメディアは主に2つの役割を香川に期待しているようだ。
1つはもちろんボルシア・ドルトムントに勢いを取り戻すことであり、そしてもう1つは、ペップ・グアルディオラ率いるバイエルン・ミュンヘンの連覇を阻止することである。
9月10日付のシュポルトビルト紙は「バイエルンに対する楽しみなオフェンス」とし、14日付のビルト紙日曜版も「バイエルンにとって嫌な相手になるだろう」としたように、「カガワ」に「バイエルン」がくっついてくるところがある。
バイエルンを破った11-12シーズンのドイツ・カップ決勝の残像がドイツメディアに強く刻まれているのだろう。香川のドルトムントへの帰還の報道が熱に浮かされた要因は、そういったところにもあると思われる。
史上最速の優勝は1度で十分…そういったところだろうか。メディアは最強を砕く可能性を探し求めているのである。
当のペップ・バイエルンはと言うと、13日の第3節シュトゥットガルト戦でバドシュトゥーバーが再び負傷離脱するなど、こちらも同じく負傷者が後を絶たない。
3バックという新戦術に取り組みながら、ペップはウィンター・ブレイクまでの苦戦は致し方ないという発言を早々にしている。
ペップの悪戦苦闘宣言を額面通りに受け取ることは出来る。事実、第2節のシャルケ戦は移籍が合意に達したばかりのシャビ・アロンソを急遽先発させながら、またも引いた相手を崩し切ることは出来ず、1-1のドローに終わってしまった。
しかしその宣言をひっくり返せば、ウィンター・ブレイクまで苦戦することはあったとしても、最終的にブンデスリーガで優勝することは出来る、というペップの自信が見える。