終盤は“ドタバタ”。ミラン守備陣も今後に不安残す
この状況に逆転への希望が見えたパルマはさらに前への圧力をかけるものの、そうすることで守備も崩壊。デ・ヨングの4点目もメネズの5点目も信じられないようなミスからの失点であり、ドナドニ監督が立ち上がりに消極的な入り方を選択したのも納得出来るものだった。
しかし、対するミランもデ・シーリオが苦し紛れのバックパスからO.G。慌てたGKのディエゴ・ロペスは足を痛める始末。
この終盤のドタバタぶりは、この先の戦いに大きな不安を残すものとなった。攻撃陣は昨シーズンに比べると劇的に改善され、セリエAでも十分戦えるレベルに達しているが守備陣は厳しい。次節はユヴェントスが相手となるため、この試合のようなプレーでは勝ち点を獲得することは難しくなる。
特に、デ・ヨングしか効果的なプレーが出来ていない中盤の守備は早急に改善しなくてはならない。
この試合において、本田に関してはポジティブな要素が多かった。アバーテ、ポーリとの右サイドトリオでの連係は良く、メネズとの相性も良い。さらにはボナベントゥーラへのアシストでチームメイトからの信頼も上がったはず。
オプタ社によるパフォーマンススコアでは62分間の出場ながら、メネズの111点に次ぐ全体2位の70点を記録。ミランの攻撃において、確実に武器となる存在と言える。
しかし、攻撃のバリエーションは物足りない。現状ではボールを持たない状態で右から中へ進入する動きがメインとなっているが、ボールを持った状態で切り込んだり、味方とのパスワークでチャンスメイクが出来なければ統率された守備を崩すことは難しいだろう。
本田にとって、この2試合はミランのレギュラーに相応しいことを証明するものとなったが、10番に相応しいことを証明するためには次節ユヴェントス戦での活躍が不可欠となる。
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