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香川真司 10年前

ドルトムント、“エース香川”が帰還。復帰戦で得点、早くもチームの中心に。監督、仲間の信頼が蘇らせる

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

この先に待ち受ける多くの強敵。香川の活躍は不可欠

ドルトムント、“エース香川”が帰還。復帰戦で得点、早くもチームの中心に。監督、仲間の信頼が蘇らせる
香川は“ゲーゲンプレッシングの申し子”【写真:Getty Images】

 しかし、このゲーゲンプレッシングが独特な存在感を放っていた2、3年前とは違い、現在はライバルチームも徹底的な対策を練ってきている。さらにはレヴァークーゼンのように自らに取り入れるチームも現れ、ショートカウンターは世界的なスタンダードとなりつつある。

 何よりクロップ監督がこの戦術を取り入れる際にヒントとしたのはバルセロナの守備である。最大の宿敵バイエルンは、その当時バルセロナを率いていたペップ・グアルディオラ監督の下、完全無欠のチーム作りを進めている。

 香川が知るブンデスリーガとは大きく異なる現在で、この先に待ち受ける強力な相手に対しても同じような活躍をするためには多くの努力が必要だ。そして、ドルトムントが再びタイトルを獲得するためにはゲーゲンプレッシングを誰よりも知る香川の活躍が不可欠となる。

 この第3節フライブルク戦では、ドルトムントは58%という支配率を記録したが、フライブルクは今季ここまで0-1で敗戦、0-0で引き分けと結果の出ていない言わば格下。本来のドルトムントは支配率と勝利が相反するチームであり、支配率が低ければ勝ち、高ければ負ける傾向にあるのだ。

 中2日で迎える欧州チャンピオンズリーグのアーセナル戦は、ホームと言えど支配率で下回る可能性が高い。しかし、その時こそゲーゲンプレッシングが真価を発揮する時でもある。

 そして、ブンデスリーガでの次節はアウェーでのマインツ戦。ドルトムント対フライブルクの裏で行われた第3節ヘルタ戦では岡崎慎司が2ゴールを決める活躍で3-1と快勝している強敵だけに、フライブルクのようにはいかないはず。

 “7番”香川が“23番”香川を越えるためにはそう言った試合での活躍が求められる。

 さらに、香川とって、3度目のブンデスリーガ制覇と、ドルトムントではなし得なかったチャンピオンズリーグでの躍進のためには、気心の知れた仲間に加えて新たな仲間と共に、以前にも増してソリッドなヘビーメタルを奏でる必要があるだろう。

【了】

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