ワーストタイの失点数、守備の建て直しが急務
だが、奇しくも大宮はこの日を境にリーグ戦の勝利から見放されている。勝ちきれないチームの成績は、前節を終えて3勝7分12敗。解任という判断は正しいものだろう。
主力に怪我人が出る不運があり、メンバー構成や戦い方が一貫しなかったことでチームの色は最後までぼやけたままだった。土壇場で勝利をモノにした試合や敗戦濃厚の展開をドローに持ち込む試合があったにもかかわらず、勝負強いチームにはなれなかった。
大宮が喫した失点は45。これは最下位の徳島ヴォルティスと並びリーグワーストタイの数字だ。
前節の浦和との埼玉ダービーは0-4と惨敗を喫し、監督解任を決定付ける試合となったが、この日の大宮は浦和に自由を与えすぎた。ボールホルダーへの寄せが遅く、浦和の攻撃のパターンのひとつであるサイドチェンジも簡単に蹴らせてしまう。そしてサイドでの一対一でも後手に回り、決定機を作られた。
早急に守備を建て直さなければ、J2降格は現実のものとなるだろう。毎年下位をさまよいながらJ1に踏みとどまってきた大宮。そのしぶとさは「残留力」という言葉で表現されてきたが、果たしてここからの巻き返しはあるのだろうか。
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