代表デビューで注目のストライカー・皆川
リーグ戦出場経験が10試合にも満たないうちに日本代表に選出されたFW皆川佑介。彗星の如く現れた大卒ルーキーは、アギーレジャパンの初陣であるウルグアイ戦でいきなりスタメン出場を果たした。
後方からのロングボールを老獪なウルグアイ守備陣と競り合う。すべてに勝てたわけではなかったが、収めたボールを確実に繋ぐことでワントップとしての仕事を果たそうとした。
前半にはクロスをヘディングで合わせる場面もあった。初選出、初出場ということを考えれば、そのプレーは十分に評価できるものだろう。
Jリーグでも堂々とプレーしている。20節の浦和レッズ戦では相手の密着マークにあいながらボールを収め、ヒールキックで味方のビッグチャンスを演出してみせた。相手からボールを守りつつ周囲の動きもよく見えている。そして、アイディアのあるプレーでパスを通したこの一連の動作は、彼の可能性を感じさせるものだ。
戦い方が同じなわけではないが、ワントップとしての役割は日本代表もサンフレッチェ広島も似ている。
広島は守備を第一に考える試合が少なくない。その中でチャンスを作る上で、最前線のポストプレーは攻撃を作るために重要な要素だ。ここを起点とすることで全体の押し上げを促しており、逆を言えば皆川がディフェンダーとの争いに勝てなければ味方は攻め上がることができない。
「次のリストを見たとき、誰が良くて誰が良くなかったか分かると思う」。
ベネズエラ戦後、アギーレ監督は言った。
ウルグアイ戦における皆川のパフォーマンスは指揮官の目にどう映ったか。クラブでは出場機会を増やしている。日本代表に呼ばれるためには所属クラブで試合に出続けることが重要で、ストライカーである皆川にとっての一番の評価は得点だ。代表戦後、最初のリーグ戦で、皆川はどんなパフォーマンスを見せるだろうか。