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【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その3)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tete_Utsunomiya

「悲しかった」、ラムシ監督インタビュー

――そして現監督のアギーレに関しては「ハビエル・アギーレの取り扱い説明書」。この山本美智子さんという方は?

「スペイン在住のライターさんなんですけど、主にスペインにいた時のアギーレってどうだったのかを書いていただきました。そもそも今回のテーマにアギーレを持ってきたのは、彼が監督に選ばれた背景や周辺環境をまずは問わなければならないと感じたからです。

 代表監督はあくまで選手をセレクトして強化し、結果を出す立場にある。その彼を取り巻く、協会、メディア、ファン、Jリーグを含めて検証するというのが今号の主旨です」

――なるほど。今号は決してアギーレ特集というわけではなく、むしろ新監督を取り巻く日本サッカー界の現状をさまざまな角度から切り取ることに主眼が置かれているわけですね。その意味で、6月のW杯惨敗の検証記事は充実していますね。育成面では小澤一郎さん、コンディショニングの面では清水英斗さんが書いています。

「あとは守備ですね。守備の個人戦術と技術の部分が宮崎隆司さん。日本の未成熟なゾーンディフェンスに関しては鈴木康浩さんに書いていただきました。たとえば2対2での守備の鉄則だとか、ゾーンディフェンスで共通認識すべきこととか、実は日本サッカー界で浸透していない部分が少なくない。その土台がないと、どれだけいい監督が来ても、立て直すのは難しいということですよね」

――翻訳ものでは、フランス・フットボール誌のパスカル・フェレさんによる「コートジボワールはいかにして日本を丸裸にしたのか」。田村修一さんが翻訳されています。

「これはけっこう悲しい内容でしたよね。コートジボワール代表のラムシ監督は、後半に遠藤が出てくることも含めてすべてお見通しだったんです。遠藤が出てきたら、日本の左サイドは弱体化する。だからジェルビーニョをそっちに回して(日本の)左サイドを後略してまんまと逆転に成功したという」

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