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【徹マガ・スペシャルインタビュー】森哲也(フットボール批評編集長)「志を持った媒体であり続けないといけない」(その2)

text by 宇都宮徹壱 photo by Tete_Utsunomiya

サッカー情報は雑誌ではなくスマホから

――あれから16年が経ちましたが、これまで業界的に最も厳しい時期だったのが、森さんが編集長に就任した8年前でした。今回も日本代表をめぐる状況は8年前に近いものがあるわけですが、当時と比べていかがでしょうか?

「8年前より厳しいかもしれないです。W杯関連本は軒並みだめでしたし、市場としても厳しいですね。サッカー好きな人は多いと思うんですけど、その人たちがお金を出して買うかというところまでいかない。もちろん、生半可なものは通用しないというのもあるんですけど、消費者が求める情報がどんどんウェブに流れてしまっているという状況も一方ではあります」

――06年当時もウェブでの情報はありましたけれど、今とはまるで紙媒体をめぐる状況が違いすぎますよね。当時はスマートフォンもなかったし。

「ウチの会社に応募してきた子を面接して『サッカー情報を何で得ているんですか?』って聞くと、たいていスマホですからね。しかも『サッカー批評』を読んでいなかったりする(苦笑)」

――それもまた、時代なんですかねえ。

「もちろんウェブそのものは否定しません。ウチでも『フットボールチャンネル』をやっているわけですから。ただ、われわれが作っているコンテンツ自体は、紙であろうがウェブであろうが変わりはないと思うんですよね。

 そういう場を確保していかないと、ライターさんも含めて若い人たちが育っていかない。サッカー人気はそれなりにあるのに、発信する場が不安定というのは、非常にもったいないと思います」

――サッカーファンは増えると思いますか?

「どうなんでしょうね。ただ、一番大事なのはJリーグじゃないかと思います。Jリーグを実際に観ている人たちは、面白いと思っているわけでなんですけど、その魅力というものがなかなか伝わっていかないし、相手にもされていない感じです。その状況をどうにかしなければ、というのはありますね」

【その3に続く】

原稿提供:徹マガ

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