ついにスペイン代表としてデビュー。モロッコの選択肢あったが…
バルサに来た当時、16歳になったばかりのムニルにモロッコのメディアがインタビューしており、その中でムニルはモロッコサッカー協会から呼ばれたら、モロッコの代表選手としてプレーしたい、との考えを述べている。
ただ、当時、モロッコサッカー協会からの連絡はまだなく、スペインサッカー協会からはユース代表でプレーするために声がかかったことも明かしている。
今回のあまりにも急なビセンテ・デル・ボスケのスペインA代表への召集は、まさにそういった事態を避け、ムニルを将来のスペイン代表選手として確保しておきたいという選手への期待が強く込められたものだ。
ここ数年、ダビド・ビジャが攻撃の中心となってスペイン代表にゴールをもたらしてきたが、ビジャ以降、代表の手綱をとれるFWは現れていないのは、ブラジルW杯でも証明された通りだ。
大きな期待がかけられていたジエゴ・コスタも、クラブレベルでの活躍は周知のとおりだが、代表ではさっぱり活躍できず、それどころか負傷続きで、「代表においてはガラスのFW」とささやかれる始末。ガラスのように繊細で壊れやすいというわけだ。
そこで脚光を浴びたのが、この今月1日に19歳になったばかりのムニルだったというわけだ。ムニル本人は、「まだバルサのトップチームで2試合出て、1ゴールを決めただけなのに!」と驚きを隠せなかったという。
それもそのはず、バルサのトップチームに初招集された日は、「興奮で前日は眠れなかった」と話してから、1週間もたたずにスペインA代表召集というスピードで、チャンスが訪れているからだ。
8日のマケドニア戦。ムニルは後半途中から出場し、新たな「スペイン代表選手」が登場した。半年の間に、フベニルカテゴリーからバルサB、トップチームまで飛び級でやってきた後、A代表にまで躍進してきたムニルの今後を、騒ぎすぎることなく静かに見守っていきたい。
【了】
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