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日本代表 10年前

自滅型ミス減少への挑戦とトレンディなゴール。見えたアギーレジャパンの指標と続く選手へのテスト

ベネズエラ戦はもったいないミスで2失点しドロー。前体制時代から続く悪癖がまたも出てしまった。アギーレ監督は弱点の克服に挑んだが、簡単に解決策は見つかりそうもない。一方、攻撃では今後の指標にもなるゴールが生まれた。

text by 西部謙司 photo by Getty Images , Asuka Kudo / Football Channel

またも自滅型のミスで失点。弱点の克服に挑戦したが…

「エーッヘッヘッヘ」と、試合後の記者会見でアギーレ監督が笑い出した。

自滅型ミス減少への挑戦とトレンディなゴール。見えたアギーレジャパンの指標と続く選手へのテスト
アギーレ監督は「ミスしても失点しないほどの運はなかった」と言っていたが【写真:工藤明日香 / フットボールチャンネル】

「今日もゴールをプレゼントしてしまったが、個人のミスなのか戦術など構造的なものか?」という趣旨の質問を聞いたときだ。笑った後の回答は「ミスの責任はすべて私にある」。また、「ミスが起こったのがフレンドリーマッチで喜んでいる」とも。

 笑っていた理由はよくわからないが、親善試合で良かったというのは本音だろう。最初の失点は水本のパスミスを引っかけられて独走され、水本がファウルしてPKを与えて決められたもの。2点目はGK川島のハンドリングミス。ウルグアイ戦も合わせて失点の直接的な原因は個人のミスである。

 日本の失点の多さはザッケローニ前監督のときから変わっていない。アギーレ監督はそこを変えようとしているが、まだ2試合目で成果は出ていない。というより、戦術が解決してくれる種類の失点ではない。

 失点にはならなかったが、前半にも自陣でのパスをカットされて3回連続でピンチになっている。アギーレ監督は「ミスしても失点しないほどの運はなかった」と言っていたが、むしろベネズエラがシュートを外してくれたのだから十分ツキはあった。

 ザッケローニ前監督が、なるべく敵陣でのプレー時間を増やそうとしていた理由の1つが自滅型の失点の多さである。アギーレ監督のやり方は、もう少し引いて構える守備のようだから自滅リスクはさらに増加しそうだ。

 ただ、強豪国を相手にすれば、どのみち引かされる時間は増える。弱点を隠すのではなく克服する、その過程と考えればいいのかもしれない。もっとも解決の糸口がまったく見えないわけだが。

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