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日本代表 10年前

代表初得点の武藤、得点は「決まっちゃった」。時が止まった感覚を覚えた。代表定着へ「気持ちを引き締め直して謙虚に」

ベネズエラ戦でアギーレ体制のチーム初、そして自身代表初得点を挙げた武藤嘉紀。Jリーグでも今季デビューを果たしたばかりながら、一躍注目の的となった。しかし、本人も個々からが本当のスタートだと理解している。

text by 元川悦子 photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

代替での初招集にも「積極的にプレーできたらいいなと思います」

「武藤(嘉紀=FC東京)と皆川(佑介=広島)は、香川(真司)=ドルトムントと原口(元気=ヘルタ・ベルリン)がケガで来られなくなった代わりに呼んだ」とアギーレ監督からあくまで「代替招集」であることを明言されていた武藤。

 それでも年代別代表歴が皆無で、今季Jリーグデビューを果たしたばかりの若武者は、この千載一遇のチャンスに胸をときめかせていた。

「東京の代表経験者の選手たち(石川直宏、米本拓司、権田修一)に『せっかくのチャンスなんだから、自分を出して積極的に行け』と言われたので、その言葉通り、積極的にプレーできたらいいなと思います」と札幌合宿初日に彼は目を輝かせていた。

 2日目からは本田圭佑(ミラン)や長友佑都(インテル)らが合流。それでも物おじせず、積極果敢に代表デビューと初ゴールを狙っていた。

 そんな意欲の象徴となったのが、5日のウルグアイ戦(札幌)で見せた後半終了間際の左ポスト直撃の強烈ミドル弾だった。惜しくも枠を外れてしまったが、武藤らしい思い切りのよさが如実に表れていた、

「その前にパスミスしてしまっていて、それを自分で取り返そうと思って、うまくインターセプトできたんで、置き場所もよかったからそのまま(打った)。その前に一回打てるシーンをトラップしてしまって打てなかったので、次は決めてやろうという気持ちで打ちました。

 イメージ通りだったんですけど、入りませんでした」と本人は淡々と振り返りつつも悔しさをにじませた。それでも初キャップとなったこの一戦で国際試合ならではの雰囲気と当たりの強さを実感したことで、固さが取れたのは間違いなかった。

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