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日本代表 10年前

見どころなく、極めて低調だった新生日本代表。チームを“破壊”したアギーレ、驚きのスタメンに隠された意図とは?

text by 西部謙司 photo by Getty Images

4-3-3のイメージ。監督にとって重要な利き足

 システムは4-3-3でスタートした。4-3-3は非常にバランスのいいシステムで、それぞれのポジションにいれば自然とバランスがとれる。例えば、4-4-2ならフィールドの空いている部分をどう埋めながら攻め、守るかが問われるが、その点4-3-3は戦術的に簡単なシステムといっていいかもしれない。ただ、そのぶん個々のスキルは要求される。個々のスキルでウルグアイに負けていたのは敗因の1つだった。

 アギーレ監督は状況に応じてシステムを変化させることを示唆している。4-3-3から変化する場合のキーマンは中盤の底に位置する選手だ。ウルグアイ戦では森重のポジションである。

実際、攻撃時には森重が引いて3バックを形成して両サイドバックを前へ、ウイングの本田と岡崎が中へ、という変化があった。守備のときは本田、岡崎が引いて4-1-4-1の形になっていた。

 引いたときには1トップが前線に残るだけなので、ここへのロングボールが収まらないとなかなかカウンターアタックができない。1トップにはポストプレーヤーが必要になる。皆川はアギーレ監督の構想に近いタイプなのだろう。

 フィールドの右側が右利き、左側に左利きを置いたのも特徴的だった。パスをつなぐには、確かにそのほうがアングルが良いので理にかなっている。FWの両サイドに関しては左利きの本田が右サイド、右利きの岡崎が左サイドと「逆足」になっているが、これはFWの前方には味方がいないので、逆足のほうがゴール方向へのプレーがしやすいからだ。

 MFの左側に田中、センターバックの左に坂井と左利きを使っている(長友は右利きだが、両足利きという認識なのだろう)。これも監督の考え方に選手を当てはめた部分だ。

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