噛みつきは良くないが、FIFAは厳しすぎる
――1次リーグの第3戦、スアレス選手がイタリアのジョルジョ・キエッリーニ選手に噛みついたとき、最初に湧き上がった感情は?
ブズー「無力感と怒り!」
――あ、しょうがないかとは思わないんですね。私は「またやったよ」と笑ってしまったのですが。
ブズー「そう見ている人も少なくありませんが、噛みつくのはダメです。いくら相手に挑発されたとはいえ、自分を抑制すべきでした」
ペレダ「ウルグアイの選手は相手をタイトにマークし、アグレッシブで激しいプレーをするのが特長ですが、皆が汚いプレー、悪意のあるプレーをするわけではありません。そこはわかってほしいです」
ブズー「ただし、あの行為に対してFIFAが下したペナルティーはやや厳しすぎると感じます」
――それでもウルグアイの人々は失意の帰国をしたスアレス選手を温かく迎えました。私の受ける印象だと「おまえはバカだなぁ。でもやっぱり大好きだ!」という感じです。日本では糾弾されこそすれ、あのような対応にはならない。
ブズー「先ほど申し上げましたとおり、ウルグアイにおけるサッカーは情熱です。それが身体に沁みついているから、理性的ではない部分もある程度は許容する習慣がある。そのあたりが影響していると思いますね」
――ブラジル大会の4試合で印象的なゲームは?
ブズー「まず、1次リーグ2戦目のイングランドに2‐1で勝ったこと。印象深さという点では、初戦のコスタリカに敗れたゲームも同等です。相手の下馬評が低く、いい形で大会に入れるかと思ったら躓いてしまった。コスタリカは予想以上に力のあるグッドチームでした」
――ベスト8に進出したコスタリカを筆頭に、中南米のチームが非常にいいパフォーマンスを見せました。
ブズー「チリ、コロンビアも目立ちましたね。一方、圧倒的に強いチームが見られなかったという点では珍しい大会だったかもしれません。拮抗したレベルの好勝負がいくつもありました」