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連載コラム 10年前

元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 第11回 地域リーグに広がるJリーグ世代の裾野

シリーズ:元Jリーガー・西村卓朗の新たな挑戦 text by 西村卓朗 photo by VONDS市原

Club Management

 1回目のベトナム視察を終え、SHBダナンのGMとの面識を作り、その後は年末に向けての親善試合の話しを進めていたが、やはり話はとんとん拍子では進まない。
コンサドーレ札幌がベトナムの英雄であるレ・コンビン選手を獲得したこともあり、ベトナム国内は日本サッカーに注目をし始めていた。

 アジア戦略の一環で日本サッカー協会がベトナムサッカー界とのパイプ強化のためにベトナムサッカー関係者を日本に招く計画があった。これは先方(ベトナム)からするととても良い機会になるかと思うが、自分たちのような下部リーグのチームにとっては、相手チームからの興味が弱まる可能性のある出来事でもあった。SHBダナンはベトナム1部リーグの上位のチームであった。できれば日本のトップリーグのチームと接点を持ちたいと思うのが普通で、そのような流れになるとVONDSにとっては不利になるような事がいくつか想定できた。

 予感はすぐに現実となり、まず今まで続いていたメールでのやりとりが途絶えてしまう。

 折角の1回目の接点を無駄にしないためにも、情報収集に力を注いでいたが、結局はベトナムサッカー関係者の来日は延期になり、その3日後にはメールのやりとりが復活した。非常にわかりやすい反応でホッとしたが、ダメ押しをするためにも10月の中断期間に再度ベトナムに出向き、親善試合の契約書を持っていきサインをもらうことにした。

 マッチメイクでも海外とは契約書を交わすことは多いようで、この件だけに関しては念には念を押して進めることにした。

 12月の親善試合には駐在している日本人にも来て頂きたかったので、日本人向け広報誌にもPR記事を載せてもらい、外務局にも掛け合い、最終的にはテレビ放映もしてもらえることとなった。

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