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本田圭佑 10年前

ウイングでもファン称賛のプレー。インザーギ監督に“活かされた”本田。新スタイルにも十分適応

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

トレーニングの成果が良く出ていた開幕戦

 また指揮官は、彼にメネズ、そしてエル・シャーラウィを活かすための戦術も整理していた。臨機応変に動ける『ニセ9番』は、CBを吊り出して前のスペースを空けるためのもの。一方でまた本田も、前線右から後方に引く動きを頻繁に入れて、相手のゾーンをかき回している。こういった動きが、ラツィオのDFラインをルーズにさせた。

 もっともラツィオは前半20分過ぎから、本田への対応に修正を加えている。対峙する左SBラドゥがマンマークに切り替え、スペースを使われる前に潰しに来た。それが2度の危ないボールロストに繋がったのは本田にとって反省点ではあるが、その結果ラドゥはアウトサイドのスペースをがら空きにしてしまい、アバーテヘ突破を許してしまっている。

 インザーギに巧く活かしてもらった本田だったが、彼自身もしっかり準備を積んで臨んだことは、プレーで改めて見て取れた。昨季は似たようなプレーをしていても、タッチが余計で相手に潰されていたシーンばかりが散見された。自信をもってボールを触れ、体のキレも良くなった。やはりこれは、ここまでの練習とトレーニングの成果だろう。

 これで今シーズンへの見通しはぐっと明るいものになった。もっとも定位置を確固たるものにするためには、引き続き結果を出し続けなければならない。夏の移籍登録セッションの最終日となった1日、ミランはアタランタからボナベントゥーラを獲得した(編注:ミランはパルマからビアビアニーの獲得を発表したが、土壇場でザッカルドがトレード要員となることを拒否し、破談になった)。

 攻撃的MFだがサイドも可能というあたり、ライバルにもなり得る。本田には、パフォーマンスの継続が求められる。

【了】

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