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本田圭佑 10年前

開幕戦ゴールの本田。「非難」を乗り越え、ミラン復活に導くか。その先に超一流の領域がある

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

スタッツで上回られながら3-1。カウンター戦術が奏功

 このロングカウンターからの先制点はインザーギ監督にとっても狙い通りだったはず。初陣で早い時間帯に得点を挙げることは幸先の良いことであり、加えてプレシーズンから準備してきた形がはまったのは監督にもチームにも自信につながるだろう。

 昨シーズン、負傷で満足な活躍が出来なかったエル・シャーラウィが得点に絡んだことも大きい。さらに、初得点を挙げたのが背番号10の本田というのはこの上ない成果となった。

 1-0で迎えた後半には、11分にアバーテのクロスからムンタリが追加点。同19分にはメネズが自ら獲得したPKを決めてチーム3点目を決めた。

 そして、インザーギ監督が現役時代とは違った顔を最も見せたのは後半22分にアレックスのオウンゴールで3-1とされてからだった。同32分には本田に代えて左SBのパブロ・アルメロを投入。ボネーラをCBに加えて5バックで逃げ切りに成功した。

 ポゼッション(43.2%:56.8%)、パス本数(302本:401本)、アタッキングサードでのパス本数(93本:149本)、クロス本数(4本:36本)、コーナーキック数(0本:10本)、シュート数(7本:19本)、決定機(4回:10回)と攻撃面のスタッツで全て上回られながら3-1での勝利は決して偶然ではないはず。

 守備を第一に考え、カウンターから好機を逃さないスタイルがハマり、実力の拮抗したラツィオから勝ち点3を奪った。シーズン前には監督としての経験不足を指摘する声も上がっていたが、プレシーズンでのチーム作りは成功と言えるだろう。

 もちろん、まだ1試合なので手放しで称えることは出来ない。ユヴェントスやローマ、ナポリ、フィオレンティーナ、インテルなど手強い敵は多く、この試合のようにはハマらない状況も出てくるはず。その時にどのように対応するかがインザーギ監督の本当の評価となるはずだ。

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