決定機を作るものの連係いまひとつ。チームはまたも勝てず
栄光の背番号7が復活した。クリスティアーノ・ロナウドがチームを去って以降、マイケル・オーウェンやアントニオ・バレンシアが背負ってきたものの、クラブの“エースナンバー”と言われる背番号に見合う選手には程遠かった。
しかし、ついに8月26日、“ユナイテッドの7番”はアンヘル・ディ・マリアに託された。移籍金はイングランド史上最高額となる5970万ポンド(約103億円)。レアル・マドリーから獲得したアルゼンチン代表は止まっていた時計の針を動かす存在となるのだろうか?
移籍からわずか中3日で先発メンバーに名を連ねたディ・マリアは、3-4-1-2のセントラルミッドフィールダーとしてプレーした。
本来のポジションはウイングながら、昨シーズンにマドリーの新監督に就任したカルロ・アンチェロッティ監督がインサイドハーフとして起用。
以前から代表ではプレーしていた位置だったことに加えて、その能力の高さや運動量の多さからフィットし、展開力のある中盤としてチームに欠かせない存在となった。
そして、その経験があったからこそルイス・ファン・ハール監督は、ディ・マリアをセントラルミッドフィールダーとして起用したのだろう。アンデル・エレーラが負傷しただけに、移籍即先発も必然と言える。
しかし、周囲との連係はいまひとつ。前半15分には、ロビン・ファン・ペルシーへ浮き球のスルーパスを出して決定機を作り出したものの、得点には至ならない。その後も精力的に動き回ったものの、決定的な仕事は出来ず。
セントラルミッドフィールダーというポジションは、個人の打開力ではなく周囲との連係が最重要なポジションだけに、救世主となるにはまだまだ時間が必要だ。