高額なチケットでもファンを魅了するイングランド
加えて、先に述べたように入場者数の大半は自国内からという想定のもと、その国の国民が、どれだけサッカー観戦に魅力を感じ、具体的にスタジアムまで足を運んでみようとするのかを、1人当たりで算出したものが試合観戦魅力度数である。
この表を見ると一目瞭然、プレミアリーグが他を圧倒しているのがよく分かる。
ブンデスリーガは、チケット代が安いからといっても、国民1人当たりに計算し直すと、プレミアリーグの後塵を拝している。エスパニョーラは、2強の大きすぎる存在感をまざまざと見せつけられる思いがした。
この表には載らないこととして、セリエAについては、スター選手の存在が薄れたことや欧州チャンピオンズリーグでも優勝から遠のく日々が続いていることのほかに、ファンをスタジアムに引き寄せられない、もうひとつの理由がある。
11/12シーズンから自前のスタジアムを手に入れたユベントスを除いて、同じスタジアムを共有するACミラン(サンシーロ)とインテル(ジュゼッペ・メアッツァ)をはじめ、スタジアムがすべて行政の資産だということだ。
そのためファンをもてなすための魅力的なスタジアム作りへの改修工事などができないからだ。
加えて言うと、『ショバ代』として、マッチデー収入の半分にも及ぶとされる金額を行政に支払わなければならず、そのことがセリエAのマッチデー収入が極端に低い理由でもある。
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