年俸も半減。なぜ本人と代理人は承諾したのか?
獲得を決めた指揮官は、バロテッリに改心が期待できる理由の1つとして、「父親になった責任感」を挙げている。だが、より現実的な理由はビッグクラブでのラストチャンスであるという「危機感」だろう。
相対的な移籍金の低さに加え、年俸も半減したと言われるリヴァプール入りを、当人と、キャリアのアドバイザーに相当する代理人が「良し」としているのがその証拠だ。
新天地でのバロテッリが、単なるストライカーとしてではなく、「チームプレーヤー」としての意識も持って仕事に当たれば、開幕2戦にスタリッジの1トップで臨んだロジャーズは、昨季中に最も機能した、中盤がダイアモンド型の4-4-2に基本システムを変えることが可能になる。前線の高さ不足も補えるスタリッジの新パートナーは、代役のランバートにはない速さと個人技も持ち合せる。
こうして考えれば、意外なリヴァプール入りもクラブと当人の双方にとって理に適った「1600万ポンド」の移籍。もっとも、理屈や道理が通じないバロテッリだけに、チームにとっての「起爆剤」となるか「自爆剤」となるかは、蓋を開けてみなければ分からないのだが……。
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