明らかにオーバーサイズである味の素スタジアム
東京ヴェルディが抱える問題は、すでに確立されたものだ。ただ、かつて“FCニッポン”とまで呼ばれたクラブがJ2でも落伍者となるほど落ちぶれたことを十分に精査するには、時間や文字数がいくらあっても足りない。
主要スポンサーであった読売新聞と日本テレビの離脱は、クラブが終焉を迎える最も大きな要因となった。お金が無くなり、成功も選手も、そしてファンさえも一旦は姿を消してしまったのだ。
再建へのプロセスは、上記と逆の順序で行われる必要があり、チームの主な目的はコア層のファンを獲得し、試合当日のスタジアムの雰囲気の改善に集中しなければならない。
しかし、彼らは馬鹿げたことに明らかにオーバーサイズである味の素スタジアムでホームゲームの大半を戦っており、この目的に役立ってはいない。
私が初めて観戦したJリーグの試合は、2009年に行われたヴェルディとアビスパ福岡の一戦。調布市に集まった4183人の観客の前で行われたこの試合は0-0に終わり、重苦しく退屈なドローゲームだった。
もちろん、2部リーグを“灰色の日曜日”に変えるようなタチの悪い群衆がいたのではない。4万9970人を収容するスタジアムが閑古鳥が鳴くような暗い雰囲気を醸し出していたのだ。
数週間前、私は別のスタジアムで行われたヴェルディのホームゲームを観戦したが、味の素スタジアムでの試合とほぼ変わらない群衆(4219人)であるにも関わらず、サッカーを観ているのだと実感することが出来たし、ホームチームというアイデンティティを感じることが出来た。
そして、彼らは結果的に試合に勝った。味の素フィールド西が丘で水戸ホーリーホックに1-0で勝利したのだ。そして、それは小さなスタジアム(収容人数7258人)は、間違いなく勝利に繋がる役割を果たしたように思えた。